国王はユイの顔に触れると

また大粒の涙をこぼし、

ユイの首にかけられたネックレスを外した。



そして、

そのネックレスを

ノイの首に掛けた。



「ノイ君………。
君にこれを受け取ってほしんだ。」



国王のその声に

返事が返ってくることはなかった。



そのネックレスは

ユイが小さな頃からつけていた物らしい。



「大切な人がくれたプレゼントなの………。」


国王が一度尋ねた時に

ユイはそう言った。



「誰からのだい?」



国王がそう聞くと、


「秘密!」


ユイはそう言った。


その時、

ユイが見せた表情は

久々の笑顔で国王は嬉しくなった。



でも、

ユイの笑顔は

いつの間にか消えていってしまった。