その涙は、

ユイの頬を流れ

静かに消えていった。




「ユイ………。」




国王の小さな声が、

聖堂に響いた………。



聖堂の窓から、

静かな星の光が流れ込んでくる。




聖堂はとても静かで……。




ただ、


国王のすすり泣きが響いていた………。




「私は本当に愚かだった……。
すべてが見えているようで、
本当は何も見えてなどいなかった………。

本当に大切なものは
目には見えないんだということを………

そんな大切なことを
忘れていた………。」



国王は自分を戒めた………。




国王の静かな声が風に流されて、

消えていった。



国王は、

もう一度ユイの棺の傍に行った。