俺は、

ユイの手を握りしめ

城の中を走った。


「高い所に向って!!
高いところからなら
魔法で逃げられる。
あの時みたいに……」


ユイに魔法を

使わせたくなかったが、

今の俺には

他に、どうするにも

すべがなかった。



俺たちは

中央塔の次に高い

『第二塔』に向かった。


第二塔の最上階を目指して、

俺たちは走り続けた。


階段を駆けあがり、

第二塔の屋上についた。



城の庭では、

パーティーがおこなれていて、

すごく楽しそうだった。



カツッ!!


俺たちの後ろで

小さく足音が鳴った。



俺は後ろを

振り向いた。


そこには、

側近が立っていた。