「ユイは昔、
城の中で起こった事件に巻き込まれ
大切な人を失っておるんじゃ。」


ルクがその言葉を聞いて、

口を開いた。


「それって、
ルウ・オフト・ノイ……ですか?」


「そうじゃ。
その手首の紋章……
君がルクちゃんか……」


やっぱり、

ユイとルクには関係があったんだ。


でも、

国王が言う


城の中で起こった事件

の真実を俺が知るのは

だいぶ先の話。




「あ!
俺の手首のこれも
何か関係してるんですか?」


俺が聞くと

国王は何も言わなかった。



しばらくの間をおいてから、

国王が口を開いた。



「さぁご飯にしようか?
お腹すいただろう?」



結局国王は、

俺の手首のことには

何も教えてくれなかった。