「安心せい………
お前らには少し感動した………」


「………?」


俺とコウは、

マトの言っている意味が分からず、

身構えたまま、

その場に立ち尽くしていた。


「何しとるんや!!
逃げろや!!」


マトの声が、

震えていた………


なんで……

マトの声が震えてるんだ………?



マトの目から

涙がこぼれおちていた………


なんで……

マトの目から涙がこぼれてるんだ………?


………!!

罠か!!


そう思ったけど、

マトがこう言ったから、

罠じゃないって思った。


マトを信じれた………。


「王女を………
ユイ様を絶対幸せにしたって下さい………」


マトが俺たちに

頭を下げてきた。


「絶対約束する!!
ユイを絶対幸せにするって約束する!!」


俺はマトに向って、

大きな声で言った。



コウはカルを抱き、

俺はユイを抱き、

階段を駆け上がって行った。

次の瞬間、

背後に………