松本と歩いてると
知ってる顔が通り過ぎた。


「お!山本じゃん!今帰り?
俺らちょっとクラブに顔出してて偶然帰りが一緒になったんだよ!」


仲のいい山本に
松本のことを好きと知られるのは
なんだか照れくさかったから
偶然を強調する俺。


「桜子?岡本の言う通り偶然一緒になって帰ってただけだから!」


同じように松本も偶然だということを
山本にかなり強調する。
そのことに違和感を感じる。


「あ!そうなんだ!そっか~」

「うん。だから三人で帰ろう?」

「あ…いや、私急いでるし先行くね!
岡本も知香もバイバイ!」

「あ、桜子待って!」