このことは誰も知らないはず。

なのに、なんで司は私は高橋先輩が好きなんて勘違いしているんだろう?

司ってば意味わかんない。

「はーい、2年生の皆さんは体育館シューズに履き替えて体育館に向かってくれよ。」

いきなり教室に入ってきた稲葉先生がそう言うと、女子の大半はピクリと反応して、廊下に出て行った。

稲葉先生は理科の先生なんだけど、顔がすっごいイケメンで長身の八頭身の先生なんだ。
男にしては長いめのサラッサラの茶髪で爽やか。

女子からの人気も高い。

私も稲葉先生に恋してるんだ〜!!
だって私の身長に釣り合うのは稲葉先生くらいだし。

まあ、司も私より背が高い・・・けど。

私たちは話をやめて入学式の会場となる体育館に向かった。