「早月さんが激しく抵抗するから、キスマークつけちゃった。」

全然悪びれる様子もなく高橋先輩が言った。

「ひどい・・・ひどいですッ!!
もう、離してくださっ・・・んっ!!」

私が抗議の声をあげると、私の身体は近くの机の上に押し倒された。

「ついでにバージンロード歩けなくしてあげる。この多目的室はね、何やってもいいように防音室になってるんだ。」

「やぁぁっ・・・離してッ!!・・もう、やだぁっ!!」

コツコツコツコツ

誰かがこっちに来る。

その音に敏感に反応した高橋先輩はむくりと身体を起こした。

私はとっさに高橋先輩の下から出て、ジャージのファスナーを上げてキスマークを隠して多目的室を飛び出した。

その後、高橋先輩とはめっきり話さなくなった。

---これが私と高橋先輩との間にあったこと。

でも、1年の終業式より少し前からやっと高橋先輩と普通に話せるようになった。

高橋先輩が勝手にキスをしたことを謝ってきたからだ。