私はもう後ずさりできなくなった。

後ろには壁、前には高橋先輩がいる。
私は1年の女、先輩は2年の男。

逃げられない。もう逃げられない。

「どうして逃げるの?
俺が怖い?安心してよ、変なことはしないよ?ただ、愛情表現するだけ。」

高橋先輩はその言葉を言った直後、私の唇に自らの唇を押し当てる。

歯列を割って舌が絡め取られていく。

私は逃げようと必死になって高橋先輩の胸を押し返すが、顔を両手でガッチリと固定されている状態のため唇は離れない。

段々口付けが激しくなり、高橋先輩の手が私の着ているバスケ部のジャージに伸びてきてファスナーを下げていく。

「やぁっ!!・・・高橋先パ・・・イ・・やめてっ」

高橋先輩の左手で私の両手が壁に縫いとめられ、右手でファスナーを下げられた。

「やぁっ・・・先輩ッ!・・許し・・・て・・くださっ」

そのとき、鎖骨辺りにチクリとした痛みを感じた。