「では、そろそろ帰りますね。先生、さよなら!!また明日も語りましょうねッ!!」

「松葉杖は危ないな。先生が車で送って行こう。」

「そんな。先生に迷惑かけたくないですよお。」

「迷惑じゃないから。ほら!!行くぞ。」


---先生の車の中

「先生、ありがとうございます。」

「別にどうってことないよ。」

「早月には・・・好きな人がいるのかな?」

いきなり先生にそう聞かれて驚いた私は絶句する。

「いるの?」

「まあ・・・いるといえば・・います。」

私の心の中に浮かんだのは司だった。

司は彼女いるのに・・・。

ぶっきらぼうだけど、いざという時助けてくれたことは数えきれないほどあった。

「そうか・・・」

そう言った稲葉先生の声が沈んでいるように感じたのは気のせいだったのだろうか。