「はぁ!?・・・ウチらをなめてんじゃねーよっ・・車椅子のばばあがよっ」

そんな声と共にガラガラガッシャンという階段を何かが落ちる音を聞いた。

もしかしたら、階段から車椅子ごと悠宇翔が落とされたのではないか・・・という嫌な考えが脳裏に過った。

俺は迷わず階段へ向かった。

「何やってんだ、てめぇら!!」

俺が叫ぶ。

階段の上にいた女子たちはそそくさと逃げようとしたので俺はまた大声をあげた。

「逃げるんじゃねぇよ、クズ女共!!」

「司、言い過ぎだよ。
少しはその言葉遣い改善してくれない?」

俺の前にある階段の下から声が聞こえたと思ったら、俺の背後から聞こえた。

「え!?」

「私は落ちてないよ。
この女の子たちは車椅子だけ落としたの。私が車椅子から立ったときにね。」

「・・・・・。」

俺はなにも言えなかった。

ただ、よかった、としか考えられなかった。

「なに?私が落ちて欲しかった?」

悠宇翔はそう言ってずんずん俺に近づく。そのとき、左足は引きずっていた。