「そんな重くないから安心しろ。
あと、今は自分自身の心配をしろ。」

「ありがとうございます・・・。」


その後、医者から告げられたのは私が全く望んでいないものだった。

「早月さん・・・、左足の前十字靭帯断裂と内側側副靭帯、半月板損傷の合併症ですかね・・・。これは全治1年以上かかります。このままバスケットボールを続けるのは避けた方が良いでしょう。」

「う・・・そっ・・・・・」

涙は流すまいと堪えていたのに、瞳から次々に涙が出てくる。

「元々、左足に重心置いていたみたいですから余計に合併症になってしまったのだと考えられます。
右足は軽い捻挫です。
右足の捻挫が治るまでは車椅子で生活した方が良いかもしれません。
また、右足に負荷がかかって痛めたらいけないので。」

そう医者が淡々と言ってきた。

その後、再び稲葉先生に抱き上げられ、診察室を出て稲葉先生の車に乗った。

その間、私はずっと涙を流していた。

「私は悪くないのに・・・
向こうが足引っ掛けてきたのにっ・・・・・っひく・・・もぅ・・やだぁっ・・・っひく・・・」