次の日の朝、いつもと違うお母さんの声が聞こえた。
「要ー!お迎えが来てるわよー!!」
「は、お迎え?」
私は基本いつも一人で行って、友達と会ったら一緒に行くっていうことにしてたはずなんだけど・・・・
急いでネクタイをして鏡でチェック、よし準備オッケー!
「行ってきます!」
「早く行くのよー」
ガシャンと扉を開けた。
「あの子も青春ねー」
「おはよ」
「え?」
なんで風間くんがここに!?
「一緒に学校行きたいなーと思って。前家教えてくれたし」
「あ、ありがと・・・」
すごく嬉しい。彼は私をきっと友達としか思ってないと思うけど・・・・
「どうだった?」
「一応中1のときちょびっと練習したことあったから、一通りは弾けるよ」
「うわすっご、僕も一通りは引けるけどそこそこ・・・って感じだよ」
「まぁ慣れたらすぐできるよ」
「そうだね」
他愛もない話をして学校へ向かう。
ほとんどがピアノの話だったけど。
さすがに一緒に教室に入るのはまずいよね・・・・
「じゃあ私寄るとこあるから先行ってて」
「分かったよ」
靴を履き替えて用のない女子トイレに入った。
あー恥ずかしい、一緒に来たっていのも嘘みたいだ。
「・・・もういいかな」
誰にも見られてないといいけど。