そんな訳で、
瞳美は遥夏君に呼び出されて

帰った。

…やっと集中して
心を見られる…

そう思いながら、ガラス越しの
プールに目をやった。

絞まった細身の体、

綺麗に割れた腹筋、

ターンの時の大きな水しぶき。


心の、何もかもが私を魅了する。


小さい頃からそう。

いつだって、心は私の憧れ。

水泳も、一緒に始めたのに
心ばっかり速くなって、

やっと心と、同じコースに入れた時、
思った。