はぁはぁ。
まずい、追いつかれる。
「待ちあがれ―――!」
待つかコノヤローー!
私は左に曲がり、細い道に入った。
・・と言うより、建物の間か…。
「おい、お前は、帰れ」
「え?」
「いいから。小僧は俺がやる」
後ろから声が聞こえる。まずい…。
そして、
「小僧、終わりだ!」
もう目の前に男がいた、真上には、きらりと光る、刀が・・・。
怖くない。怖くない。夢だ。自分にそう言い聞かせ、目をつぶる。
・・・・・。
「ぐはっ!」
・・・ぐはっ?
目を開けると、その男は、切られていた。
切られたところからは、血がどばどばと流れていた。
うっ!気持ち悪い。口で手を抑えた。吐き気がする…。
隣にいた、男を斬った人が
「大丈夫ですか?」
見れたもんじゃない。気持ち悪く、目をギュッとつぶった。
「おいそっちは終わったか。」
別の方から、違う声が聞こえた。
隣の男が、
「はい。こっちの不逞浪士は斬り終わりました。それと、あ、待ってください!」
その男が話終わる前にその場を逃げた…。