「さっきの話なんなんだよ。」



俺は千夏にもう１度聞いた。



「七海ちゃん
絶対爽ちゃん狙ってるもん。
リレーのとか絶対わざとだもん。」


小刻みに震え、
泣きそうな顔で訴える。



いつもなら
そんな千夏の顔が可愛くて
許してしまう俺だけど
今回の俺の怒りは
抑えきれない。



「ななはそんな奴じゃない。」


俺はボソッと言った。


「えっ？」


「ななはそんなやつじゃない！」


俺は大声で千夏にもう１度言ってやった


その声にビックリしたのか
目を大きく見開いた後
手で顔をうずめ
しゃがんで泣き出した千夏…