「何してるのこんなとこで」

 ふいに女の声が聞こえて顔を上げる。

「えっ!? 美保子!?」

 驚いて声を裏返らせながら立ち上がった。

 そんな僕に彼女は視線を外してベンチに腰を落とす。

 僕は黙ってその隣に座った。

「ずっと元気がないみたいだったから」

 しばらく沈黙していた彼女がまたふいに口を開いた。

 視線は合わせてくれないが、気に掛けてくれていたかと思うと嬉しかった。

 でも──