無愛想な彼は隣の席の彼になりました。










生まれつきというものはこう言う時までついてくる。

「あのさ、あんたくじ運悪すぎでしょ」


「ちーちゃん…はっきり言わないでよ」


私は生まれつき何かの運が悪くて肝心なところでミスをしたりしてしまう。


今回は席替えで運の悪い席を引いてしまった。


私が引いた番号は14番


窓際の一番後ろ。


皆には良い席かもしれないけど…隣りは学校中の噂の的の人物


荒城輝君です。




荒城輝


17歳


誕生日は2月14日 バレンタイン生まれの水がめ座


ご家族は
母と父と妹の三人の4人家族。


成績は上位5位に入るぐらいの天才で


運動もなかなか出来ちゃう今時の高校生。


多分、愛想がよかったら皆からモテまくってただろうけど。


あいにくこの荒城君は無愛想なんです。








なかなか笑顔を見たことが無いって人が多くて、謎が多い方です。


そんな彼の隣になった私は早速と彼に話しかけてみる。


「あのー…荒城君」


そっと話しかけてみるも本に夢中で私の方なんか見ようともしない。


「荒城くん、聞いてます?」


もう一度聞いてみると荒城君は嫌な顔をしたまま私の方を見る。


「何?」


「えー…っとですね…」


ウジウジとしてなかなか話しを切り出さない私にはぁっとため息を漏らす。





いやいや。


そんなに無愛想にされたら話をしずらいんですけど!!


もっと、話しやすいような雰囲気にしてくれないかな?


――…何て思っているだけで口が裂けても言えません。



「隣りの席になった初原琴音です」


すっと手を差し出しさりげない握手を求める。


「あっそ」


その手が見事にスル―されてしまいました。


えーっと…荒城君??


この行き場の無くした手は何処へとやればいいんでしょうか?





私は行き場を無くした手をちーちゃんへと向けた。


「あんたって…ホントバカね」


ため息交じりに私の手を握り返してくれるちーちゃん。


「うん…私もそう思う」


池田千尋、私の大好きな親友。


ちーちゃんは小さい時から一緒に育ってきて


何でも話せて、頼りになる私のお姉ちゃんみたいな存在。


「でも…」


チラッと隣りの無愛想君を見る。


私は彼が…荒城君がそんなに無愛想なだなんて思ってなかったりする。