RRRRR…
RRRRRRR…


蒸し暑い、夏。


今日も俺は、黙々とデスクに向かって仕事をこなす。


何のためらいもなく鳴り響く電話の音が、正直、うっとおしい。


2つのデスクにつき1台の、厄介者。


どちらが先に出るか…。



RRRRR…
RRRRRRRRR…



「…お前、取れよ」

「無理。私いま、忙しいの」



すぐ隣のデスクで、1人の女が眉間にシワを寄せた。