お姉ちゃんは嬉しくないの?」

考えが表情に出てしまったのだろうか、唯がそう聞いてくる。

「戻れる事は嬉しいけど・・・・・・」

「まだ、あの時の事引き摺ってるのね」

私の表情に、お母さんが察したようにそう言う。

「だって・・・・・・。だって、私のせいで・・・優斗が死んじゃうところだったんだよ!?」

忘れもしないあの日の光景が脳裏に映る。

アスファルトに投げ出され、ピクリとも動かない仲の良かった男の子と、ただ何もできずに泣くだけの私の姿・・・・・・。