「お姉ちゃん、行こう」

唯がそう言って急かす。

「う、うん」

と、一歩踏み出したところで

「わ、わわわ・・・・・・」

玄関の何でもない段差を踏み外してしまう。

気のせいにしてた足の震えはやっぱり気のせいじゃなくて、受け身も取れないままに体が流れていく。

そしてそのまま開けっ放しの玄関の角に頭をぶつけてしまう。