チラッと見えた蓮の背中は、北案寺の山門をくぐり抜ける。
(北案寺かぁ……行きたくないなぁ)
愛子の胸に嫌なものがこみ上げる。
でも、海がそこに居るなら、放ってはおけない。愛子は勇気を奮い立たせて北案寺の境内に飛び込んだ。
その瞬間――蓮の向こうに見えた巫女姿の少女が声を張り上げた。
「――撃(ゲキ)ッ!」
少女の手に白く光る鞭のような武器があった。それを海に向かって繰り出す。愛子の目の前で、一条の光が海の右肩を貫いた。
「あうっ!」
光は背中に抜け、引き抜くと同時に血が噴き出した。
海はそのまま膝をつく。
「カイーッ!」
「――斬(ザン)ッ!」
少女の声と重なるように、愛子は海の名を呼び、駆け出した。
蓮の横をすり抜け、光の刃が海の胸を突き刺す寸前、愛子はその前に飛び出した。
「朔夜様」
「愛ちゃんっ!」
(北案寺かぁ……行きたくないなぁ)
愛子の胸に嫌なものがこみ上げる。
でも、海がそこに居るなら、放ってはおけない。愛子は勇気を奮い立たせて北案寺の境内に飛び込んだ。
その瞬間――蓮の向こうに見えた巫女姿の少女が声を張り上げた。
「――撃(ゲキ)ッ!」
少女の手に白く光る鞭のような武器があった。それを海に向かって繰り出す。愛子の目の前で、一条の光が海の右肩を貫いた。
「あうっ!」
光は背中に抜け、引き抜くと同時に血が噴き出した。
海はそのまま膝をつく。
「カイーッ!」
「――斬(ザン)ッ!」
少女の声と重なるように、愛子は海の名を呼び、駆け出した。
蓮の横をすり抜け、光の刃が海の胸を突き刺す寸前、愛子はその前に飛び出した。
「朔夜様」
「愛ちゃんっ!」