「フルチンだったぜ。あ、でも、緑でピカピカしてたから、なんかコーティングしてあんのかも」


一に断言され、海の目は虚ろだ。さすがにショックだろう。愛子はどうやってフォローしようか、必死で考える。


「じゃ、じゃあ俺は、愛ちゃんの目の前に――晒してた訳なのか?」

「だ、大丈夫だって! ホントは全然粗チンじゃないし。すっごく大きいし……立派だし……」

「愛子くん愛子くん、その手はやめなさい。女の子がしちゃダメだ。それに……余計にショックみたいだから……」


どんな変身ヒーローも何かを着ている。

どういう仕組みになっているのかは不明だけど。君はヒーローだ! でも、変身したら全裸になるけど、それでもやるかい? と尋ねられたら……愛子だったら絶対断わる!

冗談じゃない、って感じだ。

でも、海はどうなるんだろう? 辞めますって言っても、青い宝玉は出て来ない気がする。


「ねぇ、身長二メートルを超えても、穿けるような海水パンツ作ろうか? わたしが、海の着替えと一緒にリュックに入れて持ち歩いて、いざってときに……」

「無茶言うなよ。あの化け物に、パンツ穿くから待っててくれって言うのか? テレビやマンガじゃあるまいし、その前に食われちまうぜ」


ゴンッ! あっさり否定する一の頭を、愛子はゲンコツで殴り黙らせる。ブロックでないだけましだろう。


「い、いや……大丈夫だよ。もう平気だから。うん、仕方ないよね、急場だし。色がついてるだけマシって気はするし」


と言いつつ……明らかに目の泳いでいる海であった。