それを海に告げると、


「うん。写真には五個あったって警部は言ってたよね? 集めたら何か起こるんだろうか?」

「ビルくらい巨大化するとか?」

「……あんまり、したくないかな」


都庁くらい巨大化した海の――某部分を想像して、愛子は真っ赤になった。慌てて想像を打ち消し、話を逸らす。


「で、でも、一度も意識が戻らないのって、大丈夫なのかな?」

「うーん。でも、もし変化したら……ヤバクないか?」


そうなのだ。素性がわからない以上、獣人族でないとは言い切れない。

白露のときも、パンダ斉藤のときも助けてくれたんだから悪い人じゃないと思うんだけど……。


「意識が戻ったら今度は話してくれるかな? でも、カイの中に宝玉があることは話さないほうがよさそう」

「やっぱり、そう思う?」

「うん。だって、カイを殺して心臓から玉を取り出す、とか言い出したら」


蓮はかなり強そうだ。

それに比べ、海の力は微妙である。


「でも、彼が獣に変化する所は見てない訳だろう? それに玉を探してるのは間違いないし、彼らの物だったら返さなきゃ。でも、どうやって取り出せばいいんだろう」


返した途端、鷹やライオンになったらどうすんのよっ! と思う愛子だった。