舞side



あの力を使ってすぐに意識を飛ばした私はいつもより遅く目が覚めた

「ん~…」

朝の稽古には今さら言っても面倒だし、
朝ご飯の手伝いにでも行きますか。

私は道場とはまったく逆の方向の台所に向かった

う~ん…
謎の匂いが…

「おはよぅ、平助」
「お?!舞じゃん!」

台所にいたのは平助だった
それはいいけど、

「この匂いなに?」
「それがさぁ?
味噌汁作ってたんだけど…」

味噌汁を作っていると思われる鍋を覗くが後悔した。

「何この得体の知れない物体は…」

汁ではなくもぅ泥。

泥んこだよ、これ…

「いや~…なかなか味噌汁になんなくて」
「当たり前だし!ドンだけ味噌入れたの?!
なにこのヘドロ!!」

どうすればこうなるわけ?!

「味噌汁は私が何とかしてあげるから、平助は他のものを作って?」
「お、おーわかった」

私はそのヘドロと化した物体をなんとか味噌汁という形にしていく

「でも…いつもより濃くなっちゃった…」
「大丈夫だって!此処の奴等そんなの気にしねぇから」

気にしろよ。

呆れながらもそのお膳を広間に平助と運んだ