「入るぞ?」

何も反応がない桜咲

俺はその桜咲の部屋の戸を開けた

そして月光に照らされた――――

その顔はとても美しかった

頬を伝う雫は透き通っていた

「桜咲…」

「ん……ぃ…さ、ま」

?

何を言ったのか聞き取れなかった

俺が桜咲とまた呼んだとき

「っぅ…ゃ、め…」

「桜咲?」

「やめてぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」

いきなり叫び出した桜咲

俺はとっさに桜咲にかけより呼びかける

「桜咲!桜咲!」

「やぁっ!来ないでぇ!!」

「桜咲!!!」

桜咲の声に気が付いたのか複数の足音が聞こえた

「「「「「どぅした?!」」」」」

「わかりません、急に、」

「はっ…はぁ…っ…さ、ぃ藤さん?」

正気に戻ったのか徐々に落ち着き始める

彼女は俺から離れるとまだ乱れた息を整え始めた