そうして卒業式が終わった

ドキドキしたあとはあっというまに、
後輩に見送られ
両親も和やかに見送ってくれた

私が教室に帰ろうとする時
「なぁ」

わたしに声を掛けたのは
かれといつも一緒にいる
かれの友達の悠斗君

わたしとは高校が同じで
クラスでもなかがいい
彼伝いで仲良くなったんだけど…

「なに?」

「校章くんね?」

「え…?」

校章は私たちの中学のバッチで
それを一人一つつけなければいけない