なんで・・・









瞳を伏せるようにして有沢から視線を外す。













一澤も水城も上沢も、


そして有沢も・・・







どうして他人のためにここまでしてくれるんだろう。








私はみんなに助けてもらうほど、価値のある人間なんかでもないのに


















「里緒奈、




顔上げて?」













下を向く自分の顎に彼の指がそっと触れる。







導かれるようにして顔を上げると、息を呑むほど綺麗な顔がそこにはある。















普通なら予想外の近さにテンパって、これ以上なく顔を真っ赤にしているとこだけど・・・





その心配は無用だった。