外に出るともう空は赤くなり始めていた。

「あー帰んなきゃいけないよね?」

聞かれて愛琉は頷いた。

紅太は少し考えるそぶりを見せ、

「送ってくよ」

と手を握ってきた。

帰り道はお互い無言だった。

繋いだ手が温かかった。


「ありがとう」

愛琉の家の前で紅太の顔を見上げた。

「お礼は違うのがいいなぁ」

「違うもの?」

愛琉には理解できなかった。

紅太はニコッと笑い、愛琉の手を持ち上げた。

―チュ―

愛琉は手の甲に柔らかい感触を感じた。

「バイバイ、愛琉ちゃん」

固まっている愛琉を残し紅太はさっさと帰って行った。

残された愛琉の頭が動き出したのは、数秒後。

よくわからない感情が沸き上がり顔が赤くなる。

「紅太のバカ――!!」

この二人が付き合いだしたのは必然。


【完】