「ほら、愛琉ちゃんも食べて」

空いてる手でスプーンを、愛琉の口に持ってきた。

「アーン」

紅太はとても幸せそう。

「イヤ」

「愛琉ちゃんは口移しが良いんだ~。それなら最初からしたのに」

紅太が隣の席に移動してきた。

愛琉は身の危険を感じ、スプーンに食らいついた。

「残念」

「初めては好きな人としたい…」

恥ずかしながら愛琉は言った。

紅太は目を見開き、優しく抱き締めた。

「ごめん。愛琉ちゃんにとっては軽々しくするものじゃないね」

寂しそうな声に愛琉はされるがままになった。