愛琉は今日ほど自分の目を恨めしいと思ったことはない。

「あ、あの~」

やっと声をかけれた。

見上げる首少し痛い。

「戻らなくて良いのですか?」

「構わないよ。オレは愛琉ちゃんの方が大事なの。そーいや、オレは代山紅太。呼び捨てでタメ口でね」

愛琉をカフェに導きながら紅太は嬉しそうに喋る。

「ここのねパフェが美味しいよ」

「なんで…?」

愛琉はわからなかった。

紅太が自分を構う理由が。

「なんで…私を構うの?」

「愛琉ちゃんを気に入ったから」

「どこが?」

意外な答えに愛琉は驚いた。

紅太はパフェを一口食べてから答えた。

「どこって…全部だよ。夜の様な髪と瞳。白い肌」

スラスラと気障というか甘い言葉が出てきた。

愛琉は顔が赤くなって下を向いた。

「嫌なことでもしてしまう程真面目で、きちんとお礼が言えるトコ。愛琉ちゃんの性格も全部好き」
紅太は愛琉の頬を触って、上を向かせた。

「答えになった?」

胸がドキドキして答えれない。