地元の遊び場である通りに愛琉達はいた。

沢山の荷物を抱え、翼達に愛琉は必死に着いていっていた。

「コレ、買ってきて」

何度も繰り返されてきたやり取り。

愛琉は諦めながら言われた通り買いに行った。

今まで同じ様に自分の財布で会計を済ませた。

「…もう…お金…ないよ」

一ヶ月分のお小遣いが、たった1日で消えた。

軽くなった財布を眺めながら呟いた。

その声は泣きそうだったが、愛琉は深呼吸して翼の処に走っていった。

近くに人が居たことに気づかなかった。

「あ~ぁ。可哀想。ケド、可愛いなあの子」

翼の知り合いの一人、代山紅太(シロヤマコウタ)は愛琉の事をずっと見ていた。

しかし、愛琉は翼しか見ていなかった。

「どっかに連れ出そうかな~。まずはあの子の視界に入らないとダメだよなぁ」

紅太は楽しそうに仲間に合流した。