「硬いこといわないでさ、ほら、今日は2人にとっての記念日じゃない?」


「はあ、何かありましたっけ、全く覚えがありませんね」


「もう、照れちゃって〜」

「いえ、全く照れてません」
「今日は2人が出会った初めての日でしょ?丁度、3ヶ月前の今日が…」

「あ、そろそろ他のお客様のところへ行かなくては、これで失礼します」


席を立とうとする珠理奈の腕を掴み、引き寄せる隼人
自然と距離が近くなり、そのまま後ろから抱きしめられる


「ねぇ、ちょっと俺に冷たすぎじゃない?」


隼人の声は声優並みに美しい声だ


「いいえ」

「俺じゃダメなの?」

「意味がわかりません」

「俺じゃ、珠理奈の力になれない?」

「…意味がわかりません」

「今日、元気ないよ、空元気ばっかり、見てて苦しいよ、珠理奈」


珠理奈は隼人の腕を掴み、引き離した
後ろを振り向き、真正面から隼人の瞳を見据える


「隼人様は人間観察がお好きのようですね」

「俺が好きなのは珠理奈なんだけどな」

「意味がわかりません」