「珠理奈っ!!」

ハッとして後ろを振り返る

「貴様…」


能登春樹が立っていた

「やめてください」

「っ…やめない。こいつらは私達親子に暴力を振るった!!これは報いだっ!!」


「もうその人たちはぼろぼろです、それにわかってるんでしょ?こんなことしたって意味無いって」


「黙れ」


春樹を睨む珠理奈


「貴様には関係ない、貴様にはっ、わかりっこないっ!!どんな思いで…今まで生きてきたか…。」


「珠理奈が一番許せないのは自分自身なんでしょ?」
「っ…。」

「自分はお母さんを守れなかった、何も出来なかったって、ずっと1人で、自分を責め続けて。今だって、一番傷ついてるのは珠理奈じゃないですか」


春樹は珠理奈を後ろから抱きしめ、男から遠ざける

「離せっ!!私はっ、こいつらを許さないっ!!絶対にっ!!」

「珠理奈っ」

暴れる珠理奈を強く抱きしめる春樹
遠くからパトカーのサイレンが聞こえる


「おい、逃げるぞ」


チンピラたちはそそくさと逃げて行く


「待てっ!!おいっ!!離せよっ!!!」


「すみません」


春樹は珠理奈の後頭部を殴り気絶させた


春樹は珠理奈をタクシーに運んだ


「出してくださいっ」


「あ、はいよ」


運転席は急いでタクシーを走らせるのだった