「クソ親父はどこだ」

「さあ、逃げ足だけは早いんでね、だからおじさん達困ってんのよ」

「金払ってくれたら、このまま帰ってやるよ」

「誰が渡すかっ!!」

「何だと?」


「ちょっ、珠理奈ちゃん、挑発しちゃダメよ」

「大丈夫」


震えは全然収まらない
怖い…だけど…もう屈しないって決めたんだ


「遊んでやっても良いよ」


珠理奈は腰を落とし、両腕を構えた
一気に空気がぴりっと緊張感を持つ


「かかって来いよ」


「てめぇらああああっ!!やっちまえええ!!」

「おおおお!!」


「萌花、逃げるぞ」

「えっ!?だって珠理奈ちゃんがっ」

「あいつは大丈夫だ、空手、剣道共に8段の実力を持ってる」

「ええっ!!」

「巻き込まれたら俺たちが危ない、それよりお前の情報網であいつの親父の居場所を割り出せるか?」


萌花は隅に置いてあった珠理奈のバックを取る


「やってみるわ」

「よし、」


止めてあったタクシーに乗り、萌花は常に持ち歩いているノートパソコンを立ち上げた

銀縁メガネを装着する


「そのメガネは必要なのか?」

「雰囲気作り」

「ああ、そう」