「ねぇ、今あの2人どんなかんじかしら?」

「は?あの2人って?」

「珠理奈ちゃんと春樹くんに決まってるでしょ?」


珠理奈達の乗るタクシーの後ろを走るのは、萌花と翔太が乗るタクシーである


「いいですわねぇ、若い2人って」

「何ババ臭いこと言ってんだよ。お前も十分若いだろ」

「そ、そう?」

「ああ。」


途端に静かになり、真っ赤になってしまった顔をふせる萌花


「ん?どうした?どっか具合でも悪いのか?」


心配そうに顔を覗き込んで来る翔太から、また顔を背け、窓の外を見る


「だ、大丈夫ですわ」

「そうか?無理すんなよ、疲れてるだろ、少し寝とけ」

「そうですわね。」


不意に優しくなるんだから、全くズルいですわ、翔ちゃんは。


萌花は翔太の言葉に甘え、静かに瞼を閉じるのだった