熱を測ると、やはり通常の体温に戻っていた
大分体も軽い


「うん、大丈夫みたいね」

「だから、さっきからそう言っているっ」

「あら、そうでしたわね」


ああ、またその微笑で受け流す


「まあ、好きなだけいればいい。世話になったしな」

珠理奈は立ち上がり、リビングを出る


「おい、どこ行くんだよ」


サソリの声が後ろから聞こえる


「病み上がりだろ、寝とけ」

「何をほざいているっ!!今夜零時に発売する、アキバ限定ゲーム、『モエ花』を買いに行くな、というのかっ!!」


パスタをモコモコに出し、珠理奈の前に立ちはだかるサソリ


「そうだよっ!!何外出しようとしてんだよ!早く寝ろっ!」

「私を誰だと思っているっ!神だぞっ、私はっ!これを買わないで神の名が語れるかっ!」


「神の前に、普通の小娘だろうがっ!病み上がりのっ!」

「うるさいっ!ヤンキーみたいな身なりの貴様に言われたくないわっ!」


「はぁい、そこまで」


2人の間に入り、引き剥がすモコモコ

「これじゃ、落ち着いて食事も出来ませんわ」


『すみません』


2人で同時に謝ると、またモコモコは微笑んだ


「そうだ、こうしましょう」

パンッと手を叩き、小首を傾げるモコモコ


「皆でアキバに買いに行きましょ」