「それで、お前たちはいつまでここにいるんだ?」
パスタをすすりながら聞く
やっぱり、うまい
「こっちの支店が落ち着くまでかな。萌花は公演が終わるまでいるだろ。ま、お前の風邪が治ったらホテルでも予約するさ。そんなに長くはいねぇよ、安心しろ。」
「いや、そんな追い出したいわけではなくて…。」
「ん?そうなのか?んじゃ、もうちょっとお邪魔してようかな」
「調子に乗るなよ」
サソリは食後のデザートも用意してくれた
私も病み上がりなのにぺろりと食べてしまうほど美味しいのだ
なんだろう、この敗北感…。
「つーか、よくこんなマンション住めるよな。家賃とか超高そうなじゃんか」
「いやぁ、ここの大家さんがうちの店の常連さんでな、ちょっと家のことで困ってると言ったら、貸してくれたんだ」
「はあああっ!?」
皿洗いをしていたサソリは思わず皿を落っことしそうになった
「何そのお得キャラっ!!ズルいだろっ!それっ!!春樹はちゃんと払ってんじゃねぇのっ!?お前はそれで良いのかよ!!」
「だって、借金があった頃には想像もつかないようなところで…つい、居心地が良くて…。」