「人生の不幸全部味わったつもりかもしんねぇけど、底辺にはほど遠いところにいると思うぞ、お前」

「えっ?」

「だってお前、今幸せなんだろ?つーかさ、ホステスとして稼いだんなら、何で高校行かないわけ?学費払っても、お釣が来るくらい稼いでんだろ」

「貴様に言われたくないわっ。…いくら、生活のためとはいえ…ホステスとして生きてきた…こんな私が…私は恥ずかしいんだ。」


ぎゅっと拳を握る
いつからか、我慢する時の癖になっていた


すると、目の前にパスタが置かれた
テーブルを挟んでサソリがソファーにどっかと、座る

「お前は恥ずかしいことなんか1つもしちゃいねぇよ。ただ戦ってた。それだけだ。」


言葉というのは、これほどまでに人を救うのか


「…看護師に…なりたかったんだ。母は昔から体が丈夫な方ではなかったから」

「んじゃ、尚更学校いかねぇと、ダメじゃね?」


「そうだな。…ちょっと考えてみようかな…ありがとう、サソリ」

「ん?いいってことよ。いっつもゲームの攻略法教えてもらってるし」


「いただきます」

「おう、いただいとけ」


サソリは本当に兄のような人である