「仕事か」


ソファーに座り、パソコンを見る


「ああ、仕事仲間とメールしてたんだ。店の状況をしりたくてな。」


サソリは慣れた手つきでパスタを大きな鍋に入れる
キレイに円を描いて麺が茹でられる


「どうしてサソリは料理人になろうと思ったんだ?」

「ん?単純な理由だよ、あの頃流行ってた、『コック船長』っていうアニメがあってな」

「ああ、あのいかついおじさんが料理するやつか」

「さすが、知ってんのか」

「ふんっ、我を甘くみるな」

「はいはい、んで、そのコック船長に憧れてシェフなろうって思ったんだよ」


「えっ!?あの、コック船長でっ!?」

「お前、コック船長なめんなよ、超かっこいいじゃんかよ、あの料理への情熱とかよ」


「情熱しか誉めるところがないザコキャラだったじゃないか。料理めちゃくちゃ下手なのに、各地で料理人の心を救っている、ただの船乗りの話だろっ!結局コック船長は船長であって、コックとしては素人以下だろっ!」


「でも、その残念キャラがまた良いだろ」