こうして、俺はオタクであることを隠し、芸能人能登春樹の仮面を被った


誰にもわからないように、誰にも知られないように。

知られたら最後
自分というものが音をたてて崩れていく気がしていた


でもある日見つけたチャットでは、神は、とても輝いていて、眩しかった


神との会話は俺が俺として生きていくためには、必要不可欠だった


そして、このマンションで会って、神が彼女であると、知って…。



初めて、自発的に、告白したいと思ったんだ
彼女じゃなきゃダメだと思ったんだ


「頑張ろう、俺」



彼女に振り向いてもらうために、足掻いて、もがこう
それがどんなにカッコ悪くたって、かまわない


多分それは、世にいう、初恋ってやつなんだから