「すみません、そのお願いには答えられません。だって、こんな貴方を1人にしておけませんから。」


「帰ってよ」


「嫌です」


「帰れ」


「絶対帰りません」


「貴様ぁ」


「俺は思ってた通りの人だなぁって思いましたよ」


「へっ?」


「俺のために傘を貸してくれて、ずぶ濡れになって、風邪を移すまいと、わざわざ俺を避けてくれて…。どんだけ良い人なんですか」

その言葉はじわりじわりと心に広がり、胸がぽかぽかした


「ああ、ダメだ。やっぱ、俺…。」

「何が?」


ぎしっと音がしたかと思うと、能登春樹がベッドに座っていた


手をついて、珠理奈の近くまで接近する


「ちょっ、ち、近いっ」

「珠理奈」


思わず能登春樹を見てしまう、名前を呼ばれた。
ただ、それだけなのに。


「好きになってもいいですか?」


それは、二度目の告白だった