「あの、すみません。ちょっとよろしいですか?」
「はいっ!?」


安心したのも束の間。今度は後ろから知らない男の人に話しかけられた。
きれいな大きな瞳をしていて、無表情。背が高くて、黒いスーツを着こなしている。
あれ!?さっきまでここにいなかったはずなのに…。



「それは寝てるだけです。」「はい…そのようですね…」

お隣さんを「それ」と呼ぶ、イケメンさん。


「なんだか、お騒がせしてしまったようですみません。」


イケメンさんは私の前に正座して丁寧に土下座した。

「やっ、やめてくださいっ!!顔を上げてっ!!」
「はい。」


言われた通り、顔を上げたイケメンさん。
やはり、無表情。
笑ったらいいのに…。