いきなり視界がぐるぐると渦を巻き始めた。


「神っ!?」


ぐらっ


ふらついた珠理奈を抱き止める春樹


「だ、大丈夫だ…すまない」

「で、でも、神の体熱い、もしかしてっ…濡れて帰って来たんですか!?俺に傘、貸したからっ」


「うるさい」


珠理奈は春樹から離れる


「これくらい、風邪とは言わん」


「何言ってるんですかっ!!そんなに辛そうなのにっ、ほっとけるわけないでしょっ!!」


「…何も出来ないくせに気安く優しい言葉などかけないでいただきたいな。」


「っ…。」


「まあ、せいぜい3人でゲームでもして楽しんでいてくれたまえ。」


「ちょっと、珠理奈ちゃんっ、ホントに大丈夫なの?」

「おい、無理したら悪化するぞ」


珠理奈は3人に背を向け歩き出す。


「わかりました。」


すると、珠理奈の体がふわっと浮いた。

春樹が珠理奈をお姫様だっこしたのだ。