ラジオ、テレビの収録、雑誌のインタビュー、撮影、生放送、歌の収録、ラジオ、ラジオ、雑誌のインタビュー、撮影、撮影…
「翼…1日って何時間…だっけ?」
「24時間ですよ。」
「ですよねぇ。なんか…もう…無理…。」
仕事が一段落した頃には、もう日付が変わっていた。
こんなことは日常茶飯事である。
翼の愛車に乗り、自宅の高級マンションに帰る。
翼はというと、顔色ひとつ変えていない。
「翼は…疲れてないの?」
「…愚問ですね」
オーラで『疲れてるに決まってんだろっ!このオタクっ!』と、言われた気がした。
車内は翼の噛む、キムチミントのガムの香りで充満していた。
はっきり言って、吐きそうである。
ようやく、マンションに着いた。
「では、五時間後、また迎えに来ます。」
それだけ言って、翼はどこかへと消えた。
翼とは小学生からの付き合いだが、どこに住んでいるのか、家族は何人なのか。
全くと言っていいほど知らない。聞いても答えてくれないし。
マンションの最上階に着く。
エレベーターの扉が開くと、広いロビーが広がる。
そこでは、ソファーで寝ている神の姿があった。