「わたくしも同感ですわ。
珠理奈ちゃんは本当は頭の良い子なんですの。だからこそ、このオタクの世界で神と呼ばれるまでになった。」


「すでに本名呼びですか、モコモコ。」


「あら、わたくしのことは萌花と呼んでも構いませんのよ。むしろお姉さまって呼びたいかしら?」


「いいえ、萌花さん、で結構です。」


「あら、そう?まあ、それなりの事情があるのでしょう。」


「私の家、父のギャンブル好きが酷くて…貧乏だったの。当たると大金が急に入って来るけど、外ればっかの時は明日の食事も悩むくらいでさ。」



身の上話は滅多に他人に言わない。
私の話は重いからだ。
でもこの二人には聞いて欲しい。


そう思うんだ。


「中学に上がる頃から、父が家にいない日が多くなって…母は仕事に行くようになった。

ご飯は少なくて、ひもじくて、贅沢なんて言っていられなかった。


ああ、いじめにも遭ってたな。でも頭良くなって絶対お母さんに贅沢させてあげるんだって…学校行ってた。」


手が…震えてきた。


「でも、父はお母さんが必死に稼いで来てくれたお金をギャンブルに使った!!お母さんがお金を渡さなかったら、暴力までふるって…。」


声が震える。


「無理して話さなくてもいいんだぞ。」


サソリが優しく声をかけてくれるけど、私は首を横に振る。