最高級マンションの最上階、そこが私の家。



のはずなんだけどね…。


「貴様ら…何故ここにいる。」


最上階のホールには、先ほど会ったばかりのモコモコとサソリがいた。
しかも、優雅にアフタヌーンティーを楽しんでいるご様子。


「あら、おかえりなさい、神。遅かったですわね。」
「なんだ、濡れてんじゃねぇか。さっさとシャワー浴びて来いや、神。」


「なんか…口の聞き方が変わってないか?」


ああ、いけない。
眉間にシワが…。


「それほど、私たちフレンドリーな仲になった、ってことですわよ。」


にこっと笑うモコモコは美しすぎて逆に怖い。


「だってあんた、すぐにスプリンの奴と出てっちまって、全然話せなかったじゃねぇかよ」

「だからって…何故自宅まで来る!?ていうかどうやって調べたっ!」


「あら、わたくしの情報網をなめないでいただきたいですわ?」

「なめる、というか犯罪なのでは?」

「ごちゃごちゃ言ってねぇで、シャワー浴びて来いよ。見てらんねぇよ。」

「勝手に上がり込んだくせにっ!でしゃばるなっ!」


珠理奈はドスドス歩き、自宅に入って、すぐさまシャワーを浴びた。


湯船に浸かると、冷えきった体がじわじわと温まってくる。


そうなると、また能登春樹のことを思い出してしまう。


もう、どうしちゃったの?