「あっ!それは『メロメロラブアワード』の夏希くんのセリフだなっ!?いきなり、クイズを出さんでくれ。ラブストーリーは少し弱いからな、思い出すのに時間がかかってしまった。」



なっ…なんだろう…。
なんか、誤魔化せたから、嬉しいけど、なんか超切ない…。



「スプリン殿、また会おう。今度はゆっくり語らおうではないか」


スッと華奢な手が差し伸べられた。


「はい、ぜひ」


その手をそっと握り返す。
この手が、握手ではなく、恋人同士のように繋がれる日は、一体いつになるのであろうか。
なんてことを考えてしまうのは、罪だろうか。


いや、考えるだけなら無料である。


この人との未来が欲しいなんて、俺はなんて欲深いのだ。