でも、そんな時間は短くて…。


「そうっ!あのシーンは最高だ、特に…」

「テキソマが言ったあの名言!」

「やっぱりわかるのかっ!すごいなっ!この話はやはりスプリン殿としか、語らえぬっ!」

「俺もですっ!皆わからないって言う人が多くて…。」

「その名言、覚えてるか?」
「『ああ、何という因果かっ!やはり私はお前の首を落とさねばならぬのかっ!」

「『ならば私はどんなに蔑まれ、疎まれ、踏みにじられ、罵詈雑言を言われようとも、私は私であり続けると誓おう。』」


「『私は君と共に生きると誓おう。』」


「『君を守り抜くと誓おう。』」


「『だって私たちは、そういう運命であるのだからっ!!!』」


「す、すごい…。」

「内容が重すぎて、放送打ちきりも危ぶまれたと言われていたあのアニメのセリフを…」

「これほどまでにコンプリートしていようとは…」


ほうっと、余韻に浸っていたところに、ゴジラのテーマソングが流れた。


「あ、俺です。」

「貴様、何だ、その着信は」
「翼専用の着信です。」

「何故か納得がいく…。」


最新式のスマホを取り出す。

「はい、もしもし」

『春樹、時間です。』

「…わかった。今、行くよ。」


通話を切り、神を見る。


「何だ、仕事か。まだ30分も経っていないのに…。」
「すみません、せっかく会えたのに…。」

「貴様が謝る必要がどこにある、我は同士がすぐ近くに住んでいると気づけたことだけで嬉しい。」