貴様…何と苦しい言い訳っ。


そう、このもじゃもじゃは能登春樹。一目で分かった。
客商売をやっているので、一度みた人の顔は忘れない。
写真では覚えられなかったが、やはり実物を最近見たのでな。



私は口に当てられている手を掴んで引っ張った。


「スプリン殿、二人で話したい。来てくれるな?」

「…はい。」


手を離し、先に歩き出す。スプリンは、いや、能登春樹は、後ろからついてきた。